
旅先での滞在が「暮らすように」変わりつつある今、民泊というスタイルが注目されています。
札幌市内のアパートに泊まりながら、まるで地元の住人のように街を歩く——そんな旅が、新しい北海道の楽しみ方として広がっています。
せっかく札幌に滞在するなら、少し足をのばして道南の街をめぐってみるのもおすすめです。
函館、小樽、そして札幌。
個性の異なる三つの街を巡る旅は、きっと北海道の奥深さを感じさせてくれるはずです。
札幌を出発して最初に訪れたいのは、小樽。
電車でわずか40分ほど、海の香りが漂う港町です。
石造りの倉庫群が並ぶ運河沿いを歩けば、明治の面影とノスタルジックな雰囲気が漂います。
昼はガラス工房やカフェをめぐり、夜は地元の寿司店で新鮮な海の幸を味わう。
観光地でありながら、どこか落ち着いた空気が流れる小樽は、札幌からの日帰り旅にぴったりの街です。
さらに足をのばすなら、函館へ。
特急列車でおよそ3時間、北海道の歴史と異国情緒を感じられる街です。
坂の上から見下ろす夜景はまるで宝石のようで、異国文化が残る元町地区の街並みは散策するだけで心が躍ります。
朝には函館朝市で新鮮な海鮮丼を、夜は温泉でゆったりと。
少し遠出にはなりますが、札幌の民泊を拠点に2泊3日ほどで巡るルートとしても人気があります。
札幌に戻れば、また少し“自分の街”に帰ってきたような安心感があるのも民泊ならでは。
街のカフェで一息ついたり、スーパーで北海道の食材を買って簡単な料理を作ってみたり。
旅の途中でありながら、生活のリズムを取り戻せるのが、民泊の魅力のひとつです。
ホテルでは味わえない“暮らす旅”の感覚が、旅の記憶をより深く残してくれます。
道南の三つの街——函館、小樽、札幌。
それぞれに異なる表情を持ちながら、どこか共通して感じられるのは、人と街の温もりです。大都市の便利さと、港町の懐かしさ、そして旅人を迎える穏やかな時間。
札幌を拠点にした道南めぐりは、観光地をただ訪れる旅ではなく、北海道の暮らしに少しだけ触れるような体験になるでしょう。
次の旅では、札幌の民泊を“もうひとつの我が家”にして、道南の街々へ小さな旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
きっと、旅と日常の境界がゆるやかに溶けていくような、そんな時間に出会えるはずです。
